リテールテックJapan2019 荷主の想いを分かち合う
岩手・宮城・埼玉に倉庫と運送拠点を持つ㈱篠崎運送倉庫の柳原です。
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先日、東京ビッグサイトで開催されていた「リテールテックjapan2019」に行ってきました。
基本的には流通関係者向けの展示会なのですが、弊社荷主の多くは流通カテゴリーに属する方達です。
よって物流側である弊社を経た「その先」である、、流通側である荷主の抱える問題点やその改善策・ツール類を見て共感しようと想いからでした。
展示してある・セミナーが開催されているということは、それら物品やシクミが、現在&近未来の業界のトレンドであったり、問題点であったり、創造であったりと言う事。
物流側も流通経済を支える大きな根幹ですから、おのずと荷主と考えや思考・ビジョンを共有すべきで、出来る限り荷主が認知・希望するより先に私達が想像し創造して提案して協働していけるようにしなければならないと感じています。
さて、本開催は大きく分けて3つのテーマで構成されていると感じました。
1つは、まさに流通業界「BtoC」の最前線である「店舗」と「バーチャル店舗(通販)」向け。
特に目立ったのは、「迅速簡潔な決済」と「導線検証による最適化」。
2つ目は、メーカー、問屋、店舗などでの、IT活用による高度かつ広くそして深く、かつ迅速かつ正確な「集中大量判別・計測・検証化」。またそれらを駆使・活用した「適正管理」「運営」。
3つ目は、店舗はもちろん、各現場や作業工程における省力時短化。
全てにおいてキーと感じたのは画像による解析や認識・判別。
画像による自動化なので、読み取る、入力、分けるなど、ほぼ全ての工程が一瞬で終わっています。
パレットに多品種・小ロット・多サイズ・多仕分け品が満載してあっても、人が走る速度でカメラの前を通過させれば、その後は全てが一瞬でデータ化され、正誤の判別、プロジェクションマッピングによる仕分け、ロボットと連動させれば、仕分け、搬送まで自動化していきます。
たとえば適当にピックしてきたいろんなケースを適当に積み上げていくだけで済むのです。
ピックエリアでは上面設置されたカメラが全体を見渡しており、人の動きを手の指先まで認識し、いつ何を何個取ったか、その動きはどうなのか、を全てデータ化、エリア全体の棚にあるそれぞれの個数までリアルタイムにカメラが把握し、補充の有無なども一瞬で管理、そしてこちらもプロジェクションマッピングなど光や音で見える化していきます。全て広いエリア、多くのアイテム、フリーロケ、異なる個数、型。。。 全て一瞬で
たしか、一昨年でみた展示会では、ここまで画像解析が出来ていなかったはず。
なので、それなりに各工程でカメラを活用するためのルールや条件が多かった。今年は、そんなルールはほぼ無く、いや、それなりにはあるでしょうけど、誰でもいつでも普通どおりにやってれば、あとはカメラが見えてるとこ全部認識して同時に把握・検証しますってな感じ。活用する側の現場ハードルはかなり下がっている感じ。
ちなみにどの展示会にいっても共通するのは、キチンと自分自身で視察テーマを具体的にもって、何を見たいのか、など自律して展開しないと、視覚洪水に襲われてただ疲れるだけ。
展示会に引きまわされるのではなく、自分でテーマと見たいルートを決めて廻らないと情報を整理がつかず、整頓できません。
さて、そんな中、物流側支店でもすごく情報を整理して、必要な情報を整理できるツアーがコチラでした。
パナソニックが出展していた現場プロセスイノベーションツアー。
現場の流れに沿って説明してくれるツアー。
こちらもカメラによる画像ソリューションが主体。
欠品検知システム。
これがまさに画像認識で棚にある物や空間を認識するシステム。
欠品と呼ぶのか、在庫0と呼ぶのかなどはそれぞれの導入する現場しだい。
数える、や、何が、などを捨てて、必要な情報だけを把握して整頓できます。
とにかくピック工程だけを普段通りに行っていればいいだけ。
行動分析システム。
これも倉庫の中央などにカメラを設置するだけで、倉庫内の人の導線を時間・速さ・行為を計測します。
ムリムラムダを省く、または正誤の分析などに活かすのでしょう。
おそらく分析結果などもAI導入で最適化を図っていくくものと思われます。
倉庫見える化ソリューションコーナー。
こちらは積み上げた商品を一瞬、通すだけで、カメラが全体把握してデータ化されるシステム。
おそらく、実際にはパレットの導線上に設置するだけで、特に見せる工程などは不要のようです。
認識する為のラベル等は一般的なもので十分との事なので、多種多様な物を適当に積み上げて、いつも通り運ぶだけで物や数が認識されるとの事。
配送見える化ソリューションコーナー。
一つの工程を複数のデータとして再認識していくことで、ドライバーの現在の作業工程進捗がリアルタイムに把握できるとの事。
今、どこにいる?ではなく、今、何の作業がどのくらいまで、どうなっているかが分かるシステム。
これも専用の何が必要だとか、工程ごとにボタンを・・・などがほぼ省かれていて、ドライバーはいつも通り荷役作業をするだけ。しかも使用している既存のTMSや配車システムなどと連携できるとの事。
最後が自動搬送システム。これはもういわずもがなですね。秀逸だったのは、自動搬送する前工程での仕分け場。ランダムにどんどん流れてくるケースに上面からプロジェクションマッピングで仕分け指示が投降されます。
マッピングは矢印やマークなので、読んで認識し把握して行動することなく、反射的に行動でき仕分けられる工夫がされていました。
どの展示会などでもそうですが、凄いのは当たり前。
だって展示会ですから。
簡単に導入出来ないのも当たり前。
だってお高いですから。
こういう展示会に足を運ぶ意義は、協働しているパートナーや、荷主だったり取引先だったりの業界を見て聞いて体験する事で、荷主の抱える潜在的な問題や現在、将来の想いを共有する機会を持てると言う事。
また、異業種になればなるほど、その発想や施策、仕組みやツール類の利用法など、異なる視点や発想から学ぶ事が出来ると言う事。
今回も流通側視点の最もたる店舗の導線や管理、計測、検証などがとても参考になりましたし、荷主さんに伝えることで共感を分かち合う事が出来ると思います。
また画像認識の範囲が顔認証レベルではなく、手や指の動きまでをも認証して検証に活かしている事に驚きでした。
ツールの進歩が常識をドンドン追いこしていく時代。
「今知った事は既に過去である」を認識することこそが大事な事だなと感じた日となりました。
お会いした皆様、お教え頂いた皆様、どうもありがとうございました。