体験談から学ぶ
16日の読売新聞『リーダーの仕事学』欄に、ブリヂストンの代表取締役社長である荒川詔四氏がご自身のキャリアを語っていました。
荒川氏は言います。
「失敗連続の会社人生」だったから多くの事を学べた、と。
荒川氏の失敗は入社時にすでに始まっていました。
学生時代は美術に興味を持っていたので、ブリヂストン美術館に立ち寄ったのがきっかけで今の会社に入社したのだと。
ところが、ブリヂストン美術館と現在のブリヂストンは同じ名前ではあるけれど、別法人だったのは入社後に分かったそうです。
入社2年目からタイに赴任。
同社で初の海外生産拠点で、まさに無から始める業務だったのでしょう。
お手本も無ければ、教えてくれる先輩も居ない。
そんな状況だったと思いますが、同社初ということもあり、当時のトップの方達の来訪も多く、そのときに2年目の新入社員ながら顔を覚えてくれていたことが、後々の財産になり、もちろん当時はそんなことは思いもしなかったといいます。
その後、バンコクで物流センターを造りすべてを任された時こそ、失敗の連続だったそうです。
無知で経験の無い頭で考えたことは、当然、現場とはあわず、ケンカばかり。
ついには現地の従業員が全く言うことを聞いてくれなくなるハメに・・・
このときに、現場に自分の足で行き、話しをし、自分の目で見て確認し、何が必要なのかを判断しなければ仕事はできないと身をもって体験したといいます。
この時の経験から氏が今でも標榜し徹底している『現物現場』という造語が生まれたようです。
徳川家康が三方ヶ原で敗退した時に、この時の事を一生忘れぬよう自身を絵に書かせたのと似ている気がします。
賃金体系の事も詳しくはまだ知らなかったようで、本社から来た専門家の宿泊先に押しかけて教えてもらったというエピソードもあるようです。
このとき、押しかけてでも学んだからこそ、知識が備わり帳票作成やシクミ造りができあがり努力の結果『2年目の割には良くできた』と褒められたそうです。
ココまでの話し、全て入社2年目だそうです・・・
氏の人生の原点がこの「入社2年目まで」にあるような気がします。
これらの体験から、氏はさらに「順調にトラブル」という言葉を学んだそうです。
人生において順調に進んでいたとしても壁や失敗、トラブルはつき物。
言い換えれば、トラブルがあるのは順調に進んでいる証拠だと、今ではポジティブに考えを持つことができ、気持ちが楽になるそうです。
「ベストを尽くせば必ず良い道が開ける」がモットーだそうですが、成功するかしないか、できるかできないか、ではなくベストを尽くすことに道が開けるのだといいます。
良い道が開かないのは自分がベストを尽くしていないのだと・・・
現在では物事を率直に言う事を心がけているようす。遠慮なく話さないとお互いに考え方が分からないからだそうです。
ただし、相手の言いたい事を聞くようにも同時に心がけているようです。
それは、新入社員、外国人、役職に関係なくだそうで、そういう話を聞く時間を自ら創出しているということでしょう。
「ベストを尽くした失敗なら後々、必ず良い道が開ける。良い道だと感じないなら、それはベストを尽くしてない証拠」
「トラブルは順調に事が進んでいる証拠。」
今、自分はベストを尽くしているのか・・・
自分に問いかけてみる良いチャンスにめぐり合えた気がします。
※こちらもご参考ください。
大失敗賞で金一封!?
http://ameblo.jp/shinozaki-tw/entry-10102857361.html
ブリヂストン
読売新聞
http://info.yomiuri.co.jp/index.htm
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