『米国3PL企業視察ツアー』⑥
アメリカ視察6日目
ホント、美味ですね~
朝からガッツリ食べれます。
今日の訪問企業に向かうフリーウェイで、UPSの車を発見。
ドアを開けっ放しでカットんでいます。
合法のようですが、見てるこっちが怖っ!
最初の訪問企業はCaseStack。
こちらはノンアセットの3PL企業。
社員数135名のうち、IT関連に25名以上のスタッフを在籍させています。
こちらはノンアセットの強みを最大限に引き出している企業です。
強みとは即ち、自社の倉庫や車両に捕らわれていないため、お客様の要望や成長具合に非常に柔軟に対応していける事です。
また、各荷主さんごとに担当者をつける(窓口の一本化)事で、スムーズな情報伝達や顧客フォローを行っています。
人的なフォローも素晴しく、欧米では全てにおいて「契約する」という日本人から見て、非常にシビアかつクールな社会かと思っていましたが、家に帰宅していても、お客様からの問い合わせ電話には必ず応対すると言います(それも契約のうちなのかもしれませんが・・・)。
このようなアナログ的なアフターフォローもしっかり行いながらも、注目したいのは、全社員135名のうちIT関連に25名以上のスタッフがいるという事。
何を意味するかというと、お客様に対してWebを使った物流情報の見える化を、お客様が望む前から積極的に構築しているということです。
お客様が本当の問題点や要望をしたい事に気付いた時には、既に高度なITシステムを保有しているので、お客様は自社でITに投資するよりも、このシステムに乗っかった方が得策なので、CaseStackに頼むしかないのです。
それゆえに、同社はこう公言します。
「ITが会社の生命線です」と・・・。
生命線とまで言い切るところに、3PL企業としてのあるべき姿を垣間見たような気がしました。
お昼は、Lowe´sというホームセンターの視察も兼ねて、モール内の韓国料理店へ。
焼肉ランチと冷麺を頼んだら、こんなに前菜が出てきました。
しかも、美味です。
こちらが冷麺。
日本とは少々、違いますが、日本で食べる日本人が経営する韓国料理と、アメリカで食べる韓国人が経営する韓国料理とでは、どちらが、より本物に近いのでしょうか・・・
午後の視察企業はWeber Distribution。
こちらは、創業84年目のアセット型の老舗物流企業。
年商9,600万ドル。
経営は創業時から創業者の血縁者が引き継いでいて、現在4代目。
社員とのコミュニケーションを大切しており会議はよほどの事が無ければ行わず、そこから得られた社員のモチベーションや情報をうまく顧客満足に活かしています。
また、役員が様々な協会の役員も兼務しており、そこからの縁で受注を受けることも多いという。
こういう形の経営は、ご覧の皆様にも馴染みやすく親しみやすいのではないでしょうか。
しかし戦略的には似通っていても、戦術的には全くと言っていいほど斬新で、学ぶ事が非常に多くありました。
まず、非常に参考にしたいところの一つが、創業時から経営理念は常に変化している、といいます。
コロコロ変えるという意味ではなく、その時代や時流に照らし合わせた経営理念にしているという事です。
これは大変、素晴しい事だと思います。
創業時と現在とでは、商流も慣習も、人々の価値観も大きく変わっているはずであり、とすれば創業時の理念を意地でも堅持する意味がなくなります。
間違えてはいけないのが、けっして当時の理念を否定するわけではないのです。
また、荷主様に対しては、間違えず要望している通りのサービス(在庫管理や加工作業、壊さない輸配送など)をキチンと行うのは当たり前であり、そのために、作業スタッフ(のみならず事務スタッフに対しても。恐らく役職者や役員にも及ぶものと思われます。)に対しては、社外チェックマンが300項目に及ぶチェックポイントに照らしあわせてキチンと仕事をしているかをチェックします。
内容は大きく分けると、安全衛生、各種書類、在庫などといいます。
また、作業スタッフがキチンと仕事ができるフォローとして、顧客からの連絡情報や、使用する備品、マーク、シール類、作業工程などをマニュアル化したり、異なる納入業社や配送先での作業工程やルールをデータベース化しているといいます。
なお、全ての業務において測定を常としており、基準値をはじき出しデータ化することで、サービスの向上だけでなく労務管理にも使用しているようです。
よって配送を担当するドライバーに関しては、採用する際にはバックグラウンドチェック(いわゆる身辺調査)も行い、素行の良い人しか採用しません。
倉庫スタッフに関してはグリーンカードの保持は必須で(この辺りはいかにもアメリカらしいが、少子化が進んでいる日本も将来は必要になってくるかもしれない)、定期的にチェックもしています。
さらに、教育にも重点を置いており、普段からコミュニケーションを大事にしているといいます。
このコミュニケーションとは、社員と良く話をするというのは勘違いで、仕事を絡めて普段から情報交換しているといったほうが正解かも知れません。
このような社風?は営業展開にも活かされており、各部門間で十分に話し合って計画を立て、キチンと計画通りに案件化に着手しているところからも伺えます。
表面的には非常に日本的で、年収からいっても親近感を覚える社長様も多くいらっしゃるかと思いますが、その中身を聴けば、ずっと先を見据えた戦術に徹していると感じたのではないでしょうか。
多くの事をこの企業からは学ぶ事が出来ました。
こちらは倉庫内に張られた各種賞状。
内容を良く見なかったので分かりませんが、作業スタッフへ向けたものかも知れません。
仮に作業スタッフが受賞したものだったりする場合、このようにその作業スタッフや仲間が『見える場所』に掲示すべきですね。
改めて実感。
ちなみにこのような施策は、どこの企業に行っても行われていました。
なお、2つ上の写真、青地にwと大きく書かれたカンバン。
入館証もこのデザインのものを使用していましたが、このデザインは社員からの公募で決まったそうです。
本日の視察も終わり、夕食は最後のアメリカの夜という事で、ちょっと豪勢に中華料理を。
カモのロースト。
海老のココナッツミルク和え?
アスパラの炒め物。
燕の巣のスープ
写真を撮ろうとしたら、お兄さんがサービスで固まってくれました(笑)
ダックの皮と肉。
やっぱり日本人の口には、こういう食材と調理法が一番、合いますネ。
チャーハン。
チャーハンだけは、高級料理店で食べるよりも、どこの駅前にある○○飯店の方が好きです。
かなり盛り上がったところでホテルへ帰宅。
今日まで、ずっと通訳として付き添っていただいた現地の日本人、矢野さんともお別れ。
ありがとうございました。
明日の朝、日本に帰還します。
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