後工程は御客様
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先日、愛知県にあるトヨタ会館に社員数名とともに見学に行ってきました。
トヨタといえばトヨタ生産方式、JIT(ジャストインタイム)、カンバン方式、カイゼン改善など、ムダムリムラを取り除いた方法が社員末端にまで浸透し、実際に現場で活用している事で有名です。
駐車場はこんな感じ。
ちょっと違うのが、ナナメ前向き駐車。
この駐車方式は国内ではあまり見られない方式。
アメリカあたりではかなり一般的な駐車方法です。
こうする意図は5Sやカイゼンに携わっていたり、常に意識しているかたにはすぐにピンと来るかと思います。
そう、入庫する際にバック入れする手間が要らないのと、駐車時間が掛からないのです。
ということは、運転技術をそれほど要しないので誰でも簡単にすぐに駐車できるという事です。
出庫の際はバックで出なければなりませんが、実はそここそがナナメにしているポイント。
真っ直ぐバックすれば、後はハンドルを右に切って真っ直ぐ進むだけ。
入庫も出庫の時も、誰もが簡単で、技術も時間も注意する手間も要らないのです。
ちなみに、アメリカで普及している背景には、週末などの買い出しで大量に物を購買する風習があるため、前向き駐車にしておくと、トランクに入れやすい事も一役かっているのでしょうね。
日本に進出したコストコでこの方式が採用されていないのは、敷地面積の有効活用を優先しているからでしょうかね。
さて、工場内見学は専用のバスで数か所を回ります。
いわゆるツアー形式。
ビジネスマンが多いかなと思ったら、意外にも個人で来ているかたも多く居ました。
学校単位で来ている方もいましたし、我々のように会社から選抜メンバーで来ている方も見受けられました。
ちなみに工場内は撮影禁止です。
もちろん、トヨタ側にとっては工場見学の趣旨はトヨタ車の生産現場を見て頂く事なので、案内アナウンスと私達がフォーカスしている部分はまったく違います。
おそらく、先にも述べたように、カイゼンや5S活動を常に意識している方や携わっている方以外は、車がドンドン形作られているほうにしか目が行きにくいかもしれません。
自動化されている箇所もあり、まるで人の手のようにうごくロボットには圧巻ですが、そんな所を見に来たわけではないので、参加している皆、アナウンスや他参加者が見ている所とは全く違う所を見たりしていました。
私達のように、改善や5Sに係っている方や常に意識している方は、トヨタ工場の中では、おのずと目に見える工場内の全ての部分で、マインドが浸透している事にすぐに気づくはずです。
いや、目に見えない部分での働く人の動きや、働く人の視線、働く人の手の位置や腰の位置などにも気付くはず。
本当にムダ、ムリ、ムラの無いように作られた工場となっています。
例えば、流れるライン脇にある治具台車。
屈んだり背を延ばしたり腰を曲げずに、手を伸ばさなくてもすぐに取れる位置に、その時に必要な工具や部品が、必要な数だけ取りそろえられています。
また、その作業パターンも誰もが一様に取り決められており、違う行動を起こせばすぐにそれが異常と分かる仕組みになっていました。
また、良く見た光景に指導員的な方がところどころ作業者の傍らについていました。
改善、5Sに携わっていない人や意識の無い人にとっては、無駄な人員やトヨタだからこそ余裕のある人員配置・人数にしかみえないでしょう。
しかし、これは、きちんと現場管理者たる役目がハッキリと浸透している証拠でもあります。
いわゆるプレイングマネージャーの業務をしっかりとこなしている表れです。
良くありがちな、プレイングのみに振り回されマネジメントができず、結局目の前の生産数にばかりに目を奪われている工場とは違います。
プレイング+マネジメントをきちんとこなせるシクミが出来上がっているという事です。
マネジメントをおなざなりにしない事が意識と技術を両立させた強い社員を作り上げ、強い社員は強い現場力を生み、強い現場力は結果的に良い品質に繋がり、良い品質はおのずと適正価格もしくはロイヤリティのある良い商品に繋がり、お客様に喜ばれる図式が成り立っているのです。
また、その都度、知識や技術有るものが、その場で教え注意し改善を促すため、自然とトヨタマインドの浸透にも一役買う事になります。
これを維持、改善し向上を図っている最大のポイントはトヨタ上層部の姿勢です。
工場に限らず、定期的、もしくは不定期に全国にある工場や事務所などにもかならず足を運び、現場社員の方と話をし、カイゼンを常に行っているか、整理整頓されているか、表示等による誰でも判る現場を作り上げているかを確認し、意識の高揚と促しにつなげているのです。
ここまで日々、大変な業務のなか、現場に足を運び現場を作り上げる姿勢に徹しているのは、現場がトヨタの最も大事な財産であると会社をあげて認識しているという事です。
よってトヨタ内では、いわゆる工場や作業者だけを現場とは呼んでいません。
事務職でも営業現場は~や、総務現場は~などと話の中で出てきます。
また、全ての社員が後工程を主眼において、自身の現場の改善に取り組んでします。
後工程がスムーズに流れるように、前工程である自身を常にカイゼンしていくという事です。
よって後工程は御客様である事を認識し、後工程の為に5Sも改善も行っていくのです。
私の立場でいう後工程とは、誤解を恐れず言うなら、荷主様(お客様)ではありません。
倉庫現場です。
お客様から依頼されたり、提案した内容を、次に引き継いでくれるのは倉庫の皆さんです。
頭でっかちの非現実的な自分勝手な受注業務内容を、そのまま倉庫現場に流し、ムリを敷いては流れるものも流れなくなります。
よって後工程たる倉庫現場の皆さんからも、依頼(受注)業務内容を検証精査していただくようにしています。
「後工程は御客様」
経験の有無、知識の有無、異部署、異業務、異職種、であろうと、仕事は皆でそれぞれの特性特技を活かしながら一つの一つの業務をキッチリと完結し、お客様から信用をいただき、信頼を得、次の仕事へと広げていくものです。
後工程を主眼に置いて自身の業務をこなしカイゼンし向上させていく。
まさに理にかなっっていることだと思います。
移動中に見えた富士山。
いつも埼玉県側から見る富士山とは逆方面。
ちょっと新鮮でした。